リハビリについて

脊髄損傷は、いろいろな研究が進められているとはいえ、今の医学では治すことは難しいです。
でもだからといって、なにもしないわけではありません。

入院してから、3ヵ月後、リハビリ専門病院に転院したRYUは、以下のようなリハビリを行っていました。

リハビリ内容 目的 頻度
ダンベルを使った両腕の筋トレ 車椅子から車やベッド・トイレへの乗り移りの安定を保つため。 毎日
両足首の柔軟 筋肉の硬縮による尖足(爪先立ち)防止。 毎日
装具を使った歩行訓練 足首の硬縮を防ぎ、尖足、ケイセイの防止。 月1回

上半身の筋トレは、一般的にスポーツをする方がやるような筋トレと同じようなものでした。
柔軟はPTの先生が、足首や股関節を柔軟に保つために行ってくれて、退院後も毎日ではないものの、時間があるときにはちびうさが行っています。

そのほかの、装具を使った歩行訓練は写真を載せて詳しくご紹介したいと思います。

これがRYUが購入した装具、「プライムウォーク」です。
RYUはへその下辺りから感覚がなくなってきているので、足の付け根まで支える装具になっています。

プライムウォークは3つのパーツに分かれていて、
@右足、A内側股継手、B左足となります。

一番重要なのがAの部分で、この部分で両足のパーツをつなぎ、動かすことが出来ない足を振り子のように交代に前へ送り出す役目をします。
これがAを取り外した状態です。かなり重くて持ち上げると二つの下に伸びた部分がゆらゆらと前後に揺れます。
まず、Aのパーツは取り外した状態で片足ずつ装着します。

プライムウォークは完全オーダーメイドなのでRYUの足ぴったりに出来ています。
足首からふくらはぎ、太ももと順番にしっかりとプライムウォークの中へ押し込んでいきます。

それから足先、すね、膝下、太もも、付け根とマジックテープで出来たベルトできっちりと固定します。

もう片足も同じように装着していきます。
両方の足に装着したら、Aの部分のパーツを足の間にはめ込みます。

これで装着終了です。

普段このリハビリはリハビリ室の平行バーの間で行います。
装着が終わったら、平行バーを使って立ち上がります。腕だけで全体重を持ち上げるのでかなり両腕の力が必要になります。

そのままでは、膝の関節の部分がぐらぐらと固定されずに立つことが出来ません。

なので、矢印の部分を下方向へ押し下げ、膝の関節を固定します。これは慣れればRYU一人でも出来ます。
うまいく説明できませんが、床に足をぶつける感じで衝撃を与えてはめ込みます。
無事に膝の関節が固定されて、立つことが出来ました。

リハビリ病院に入院していたころは、足首が柔らかくて両手を離しても安定して立つことが出来て、キャッチボールなどもしていたものでした。

しかし、かなりブランクがあったのと、足首の筋肉がこわばってしまって、爪先立ちのようになってしまっていたので、なかなかバランスがとれず手を離すのも一苦労でした。
平行バーの中で歩きます。

片足に体重をかけてもう片足を浮かせると、真ん中のAのパーツが浮いた足を前へと送り出してくれます。

それをスムーズに行って平行バーの中を行ったり来たりして、足首を体の重さで柔らかくなるようにします。

また、健常だったころの目の高さの気分を味わうことで、精神的にとても良いリハビリになります。
また、常に心臓が低い位置にあると、心肺機能が落ちてきたり。
足に衝撃が与えられないままでいると、骨からカルシウムが流れ出るままになり、骨粗しょう症になりやすいということで。

2010年現在、しばらくのブランクを経て、とりあえず立つだけのリハビリを週に1回程度行っています。

リハビリ病院に入院していたころは、このリハビリに慣れてきて、平行バーから出て両腕を杖で支えながら廊下を歩いていました。
お見舞いに来た方々などに「若いから、頑張ったらすぐに歩けるようになるわよ〜!」と言われて、苦笑いしていましたねぇ・・・(^-^;

このような感じで、だいたいいつも40分くらいリハビリを行っていました。
このプライムウォークは平行バーが、それにかわる両腕で支えられる道具が必要となります。

2010年現在、自宅でも出来るように、これほど長い平行バーではないものの、とりあえず立ち上がれる程度の平行バーの購入を考えています。

プライムウォークは愛知県にある、藤田保健衛生大学というところが開発したもので、リハビリ病院を通じで東名ブレースという会社から購入しました。

金額はかなり高額です。
また、RYUが購入したことから年数が経っているので、今もあるのか、もしくはその後さらに技術が発達して違うものが開発されているのかはわかりません。
なにか気になることがありましたら、メールでお問い合わせくださいませ。


★装具LINK★

東名ブレース

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